| 真理を求める津々浦々の深山幽谷での修行はやがて高知県室戸岬にある
「御厨人窟(みくろど)」 という太平洋の荒波を望む洞窟に行き着いた。 当時19歳だった空海はその 「御厨人窟」 で 「虚空蔵求聞持法」
の厳しい行に入る。 虚空蔵菩薩は 「智恵」 と 「記憶」 の菩薩であり、虚空蔵求聞持法を修めれば、八万四千あると言われる経典の全てを記憶し智恵を授かるというものである。
その修法とは真実の言葉(真言)を定まった期間内に百万回唱えるというもので、最低でも1日に1万回という過酷な行である。 その修行の中で空海は虚空蔵菩薩の化身である光り輝く明星(金星)を口から体内に迎えるという超常現象を体験することで
「すべてを悟った」 と言われている。 19歳といえば、あらゆる予見が激しく交錯する年齢でもある。 その中で現代の天才物理学者が時として与えられる予見と同じに、空海自身がその等価的予見に出逢ったとしても何ら不思議ではない。
ただ表現方法が現代科学が多用する 「数学的な形式」 ではなく、虚空蔵求聞持法に導かれた 「直観的な形式」 であっただけである。
宇宙の真理にアプローチするにおいて、その方法に優劣の差異は存在しない。 重要なことは、得られた真理の 「何たるか」 だけである。
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