| 宇宙は 「ボーダーレス(無境界)で、センターレス(無中心)」
であることは、「境界なき宇宙」
で論じた。 それは 「量子もつれの実証」
から導かれた宇宙の 「非局所性(宇宙には局所がない)」 が明らかにした核心である。 非局所性とは宇宙における現象が宇宙の果てほどに遠く離れた場所であっても相互に絡み合い影響し合っているとする性質のことである。
それはまた、絡み合っている 「相互の情報」 が超光速度で交信されていることであって、アインシュタインの相対性理論が規定した 「時間と空間で構成された宇宙(時空間)の概念」
が唯一絶対なものではないことを意味する。
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| 今までの宇宙論は 「物質還元主義」 から導かれた相対論を基盤にして構築されてきたが、これからの宇宙論は
「意識還元主義」 から導かれた量子論を基盤にして構築されるであろう。 このことは人類の価値観に大きな変転をもたらすであろう。 詳細は
「新たな物理学への展望」
を参照。
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| また哲学的課題であった存在論もまた物質的存在論から意識的存在論へと変転し、揺らぐことがないと信じられていた形ある物質が形なき意識のように揺らぎ始めたのである。
今まではいかがわしいとされていた霊媒師や呪術師の言説や、テレパシーや夢まくら等々の超常現象の実在性が認められる日も遠からず到来するかもしれない。
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| 今をときめく権力者たちは自らの周囲を 「世界の中心」
であるとして信じて疑わない。 だがこの宇宙が 「ボーダーレス(無境界)で、センターレス(無中心)」 であるとすれば、それもまた
「大いなる錯覚」 なのかもしれない。 その本質は宇宙の片隅に位置する 「ポツンと一軒家」 の周囲と何ら異なるところはないのである。
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| 世界は今、混乱に満ちて平和への道筋が見いだせない。
ここで論じた 「境界なき宇宙の構造」 がサイモンとガーファンクルが描いた 「明日に架ける橋」 のごとく、「平和に架ける橋」 となってくれれば幸甚このうえないのだが
・・ 畢竟如何。
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