科学的合理主義万能への喧噪が始まった250年前にドイツの文豪、ゲーテが予言した通り、現代はすぐれた頭脳、理解の早い実用的な人間のための時代であって、たとえみずからは最高度の天分を有さずとも、ある程度の器用さを身につけているだけで衆に抜きんでると思っているようである。
その状況を現代風に表現すれば 「お調子者の時代」 ということであろう。
|
それは底の浅い人間ならではの思惑であって 「さまざまな試み」
はやがていつか破綻してしまうであろう。 科学的合理主義の成功に酔いしれ、増上慢に陥った人間たちは、この世のすべてが 「人智をもってどうにでもなる」
かのごとく考えているのかもしれないが、人智をもってどうにかなるのは 「ほんのわずか」 などうでもいいような部分においてのみであって、その
「ほとんど」 は人智を超えた 「天の計らい」 の為せる業である。 かくなる 「天の配剤」 はあまねく宇宙全体に満ちているのであって、人智をもって策などめぐらすことなど、もとから必要ないのである。
|
|