「近代文明の宿痾〜我々が見失ったものとは」
では科学的合理主義が現代社会にもたらしたものが何であったのかを 「ゲーテの視点」、「夏目漱石の視点」、「ニーチェの視点」、「三島由紀夫の視点」、「現代科学の視点」
から論考している。 拝読願えればもって幸甚である。
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そして世界は今、その宿痾を被って混乱の極にある。
経済指標は激しく乱高下を繰り返し、千々に乱れた人々の心は刹那の享楽の狭間に漂い、肥大化した精神はとどまるところを知らず、自らの独善を省みることもない。
いったい世界は何処へ行こうとしているのか?
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ゲーテの思想を研究したオーストリア生まれ(1911年)の文芸評論家、エーリヒ・ヘラーは、富と速さを目指した科学的合理主義の行き着く先を
「技術的進歩とは、地獄をもっと快適な居住空間にしようとする絶望的な試み以外のほとんど何物でもない」 と予測した。 それから100年余を経た現代社会はまさにヘラーの予言どうりの地獄のような世界となってしまった。
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