Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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間違えた社会の評価とは
 それは20数年も前のこと、開発した技術について新聞記者から取材を受けた折のことである。 多分に気負いに満ちていた私は、言の端に寄せて 「間違えた社会から評価される あれこれ は間違いである。 どうせなら正しい社会から評価されたいものだ」 との心情を吐露した。 かくなる回答に窮したのか、くだんの記者は 「機が熟すのを待つ」 と題したその記事の末尾で 「独創を極めたのか、現在の本人は至って自然体だ」 との文面で応えた。 さもありなんのくだりであった。
 それから幾星霜。 眼前にする現代社会が 「間違えた社会」 なのか、それとも 「正しい社会」 なのか、いまだに判然としない。
 先日までは 「増税メガネ」 と揶揄されていた一国の首相は、今や 「迷走メガネ」 と言われるに及んでいる。 はたして、間違えた国で選ばれる首相は、やはり間違える首相なのであろうか? どうであろう。 畢竟如何。

2023.11.08


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