Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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春は来たものの
 春爛漫である。 いつもであれば自然が奏でる豊饒を安らぎをもって愛でるところであろうが、今年はそうもいかない。 東欧ウクライナでは予想をはるかに超える戦争が勃発。 いまだ解決の糸口さえ見いだすことができない。 世界はただ呆然と傍観するばかりで時間だけが虚しく過ぎ去っていく。 偽善で装飾された正義は嘘で塗り固められて尚も平然と佇んでいる。 現代文明がこれほどまでに馬鹿げた世界を実現してしまった理由を何処に求めたらいいのであろう? 人間はもとより愚かな生きものには違いないが、ここまでくるともはや末期的である。
 以下の台詞は今は亡き鶴田浩二が唄った 「傷だらけの人生」 の出だしである。 それは今を遡る52年前、1970年のことであった。 ( 鶴田浩二の風景 参照)
何から何まで 真っ暗闇よ
筋の通らぬ ことばかり
右を向いても 左を見ても
馬鹿と阿呆の 絡み合い
どこに男の 夢がある
 兆候は当時にしてすでに現れていたのであろうが、それが 「大戯言(おおたわごと)」 に転化するためにはさらに相応の歳月が必要であったということであろうか ・・?

2022.04.12


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