Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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メタバース〜超越空間構想
 コロナ禍におけるオミクロン変異株の急激な感染拡大はさらなる在宅勤務(テレワーク)への傾斜を増幅させている。 コロナウィルスの感染が人から人への人為的感染である以上は人的接触を回避するテレワークが増大するのは自然の流れではあるのだが ・・。
 テレワークとは情報通信技術を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方を指す。 似た言葉にリモートワークがある。 テレワークと同様にオフィスではないところで働く労働形態を表すが、テレワークが企業に属する人の働き方を指すのに対し、リモートワークは主に個人事業主(フリーランス等)の働き方を指す。 だが最近ではこの区分けもはっきりしているわけではなく、同意のものとして使われることが多い。
 だがこの流れは人類にとって 「大きな転換点」 となる予感に満ちている。 歴史を省みれば、人間社会は 狩猟採集社会→農耕社会→工業社会 と変遷を遂げてきた。 そして現在は情報社会の只中にあるがその情報社会の真象(実像)をいまだ誰も確と知っているわけではない。 だが大きな違いだけは明確である。 それは経てきた各々の社会の基本が 「形をともなった物質」 であったのに対し、情報社会の基本が 「形をともなわない意識」 である点である。 その観点でテレワークやリモートワークの働き方を観察すれば違いはより明瞭となる。 それは物質的現実であった社会が意識的仮想の社会に向かって変質していく様相である。 それは例えば、訪れた会社には物質的現実である社員の姿はなく、代わって 「ご用のある方は表記のウェブサイトにアクセスして下さい」 という表札のみが掲げられているというような既視感となって現れる。 それのみか物質的現実の基本であった本社建物さえもどこかへ消え失せてしまったかのようである。
 かくなる兆候は今話題を集めている 「メタバース」 と呼ばれる 「仮想空間モデル」 に色濃く象出している。 メタバースとはウェブ空間に構築された 「3Dバーチャル空間」 で利用者はVR(仮想現実)デバイスやPC、スマートデバイスなどを介して現実世界から仮想空間にある都市や建物などの空間モデルに入り込み物質的現実空間と同等の活動を行おうとするものである。 だがその活動は現実には実在しない意識的仮想空間での活動である。 こうなるとテレワークやリモートワークによる 「働き方改革」 どころの話ではない。 だが人類はその仮想空間モデルの構築に向かってまっしぐらである。
 メタバース(Metaverse)とは 「超越した」 という意味合いを持つ 「Meta」 と 「宇宙」 という意味合いを持つ 「Universe」 を合わせた造語であって、しいて日本語に訳せば 「超越空間」 とでもなろう。 その空間で人は 「アバター」 と呼ばれる分身(化身)として活動するという。 フェイスブックの創業者ザッカーバーグは社名を 「メタ(Meta)」 に変更して2021年12月期から年間100億ドル以上をメタバースに投資すると発表した。 流れはとどまるところを知らない。

2022.01.11


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