Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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人生は刹那にありて
 人の一生とはいかなるものか? 「春夏秋冬」 の四季で語れば、勢いよく生きる春、活動する夏、収穫の秋、ここまでは一気に進む。 だが問題は残された冬はいかに生きるのかである? 死を待つ冬ではなんとも寂しい。 また仏教では人としての4種の苦悩の過程である 「生老病死」 で人生を語る。 生まれること、老いること、病気すること、死ぬことの4過程である。 いずれの語りをもってしても死が待つ人生の終わりは暗い。 だが何人もこれらの人生の過程から逃れることはできない。 人生の 「遊園地」 は入場したときからすでにしてやがてくる退場が予定されているのである。
 畢竟如何。 そうだからといって唯々諾々とその過程にしたがう必然性はどこにもない。 過去も未来もない 「現在だけの世界」 に生きる者であってみれば 「永遠は刹那にある」 のであって、遙か彼方の未来にあるものではない。 まして待ちてたどり着く死にあるはずもない。 思考の連鎖はやがて 「人生は刹那にありて連続にあらず」 という結言に還元されることで永遠の箴言として結実する。

2021.08.23


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