Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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片隅か全体か〜日本と韓国
 大ヒットとなった 「この世界の片隅に」 という長編アニメーション映画がある。
 個人としての片隅の世界に対し中央の世界は全体の世界である。 片隅の世界は 「個人的現実」 として位置し、中央の世界は 「全体的現実」 として位置している。 現在進行中の日韓関係の騒動に例をとって考えれば、韓国人の視点はもっぱら全体的現実である中央の世界に注がれ、日本人の視点はもっぱら個人的現実である片隅の世界に注がれている。 個人的現実に視点を置いた 「この世界の片隅に」 が全体的現実に視点を置く韓国でヒットするかどうかはわからない。 これらの視点の違いを国民性といってしまえばそれまでであるが、長い歴史時間の中で培われて習慣化されたものであるいじょう 「おいそれとは変わらない」 のかもしれない。
 私はこの片隅の世界と全体の世界の視点の異なりを 「細部は全体 全体は細部」 という概念に還元した。 その内容については 「Pairpole 宇宙モデル」、ベストエッセイセレクション 「ホロニック〜宇宙内蔵秩序」 等々をご参照いただくことにして割愛する。 結論を言えば 「片隅の世界も全体の世界も本質は同じ」 であってどちらの視点も異なるところはないということである。 その真理に気がつけば騒動はたちどころに解決に向かって進むのであろうが ・・ さてどうであろう。

2019.08.04


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