Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
Turn

経済原理から生存原理への転換
 先日大阪で開催された 「金融世界経済に関する首脳会合G20」 では世界の90%の経済を司る主要20カ国の首脳が一同に会した。 世界の90%の経済活動が20カ国で占められるとは世界もそう大きなものではない。
 だがそこで話し合われた 「あれこれ」 が従来の経済原理から逸脱してきていることは気がかりである。 「いいものを作れば売れる」 という長く続いた経済原則が通用しなくなってきた様相が垣間見えてきたのである。 代わって台頭してきた原則は 「経済とは弱肉強食を基とした支配関係である」 とする生存原理への転換である。 つまり、G20で話し合われた内容は互いの経済原理についての 「あれこれ」 ではなく、互いの生存原理についての 「あれこれ」 であったのである。 その会合を主導したアメリカのトランプ大統領がことあるごとに発する 「アメリカファースト」 の主張がそのことを能弁に語っている。

2019.07.12


copyright © Squarenet