Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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過去や未来は現在に含まれている
 「過去や未来は現在に含まれている」 とする構造認識は ベストエッセイセレクション 「時空の消失点〜時間も空間もない世界」 で論じた 「線形時間を廃棄したことで導かれた重層的に重ねられた世界構造」 からくるものである。
 だがこの構造認識はすべての人に通用するものではない。 あるとき右脳派の友人に 「時間は過去・現在・未来と流れていると思われているが、実は過去と未来は現在に含まれていて、状況に応じて現在に象出するのだ、あの壁にもたれている人を見るがいい、彼の周りには今、過去が象出している」 と話したとたん、彼は 「わかった!」 と感嘆の声をあげたが、同じことを左脳派の友人に話したら、冷ややかに鼻で笑われたのである。
 それはさておき 「過去や未来が現在に含まれていて、その含まれていたとある過去や未来の場面が、とある現在の刹那に象出する世界構造」 はさまざまな示唆に富んでいる。 日頃、今の今である現在にて遭遇する津々浦々の出来事が、とある過去やとある未来の場面であると考えることは、いうなれば 「現在を 3倍 にして生きる」 ことでもある。 常識をはるかに超えた仮説ではあるが 「探求してみる価値」 は充分にある。

2019.03.06


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