Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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仮想的現実
 人類が生来の動物から離脱するために行った最初の行為は「世界を認識する」ことであった。

 世界を認識するとは、自己の回りに存在する得たいの知れない何ものかを「抽象化」することである。抽象化とはその得たいの知れない何ものかを、例えば文字に置換えることであり、図形に置換えることであり、数式に置換えることであり・・現代人が無意識に行っている日常茶飯のすべての置換えである。

 認識化とは、つまりは得たいの知れない何ものかを、文字や図形、数式等で「仮に置換える」ことであり、そのものずばりを完璧に置換えたものではない。言うなれば「不完全な置換え」である。

 現代人が観る世界は、これらの不完全な置換え(抽象化)によって構築されている「仮想的現実」、つまりは「仮想的構造物」である。

2003.10.02

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