Linear 長野県穂高東中学校にての講演(2003.12.02)より

宇宙の構造とメカニズム
Turn

(1)序

 今、校長先生からご紹介をいただきました柳沢です。

 皆さんどうも今日はこんにちは(生徒「こんにちは」)。実は半年前にこの講演の話をいただいたんですが、私は技術者なもんですから、皆さんのような若い人の前で話をするというのは非常に抵抗がありまして逃げ回っていたんですけども、教頭先生はじめ担当の先生が事務所に来られ「ヤダじゃない、話せ」と、こういうことで、今日の日を迎えてしまったわけです。

 いろいろな演題でということを言われたんですけども、今、何ていうんですかね、現代のその世界情勢とかいろんなことを考えると、非常にまあ大きな時代の変化の起点にきているわけですね。
 ですから皆さんに大きな夢を抱いてもらうような話がいいんではないかということで、もうそういうことだったら、いっそのこと宇宙の話がいいかなということで、その「宇宙の構造とメカニズム」という演題にさせてもらったわけです。

 私の仕事は、今校長先生からご紹介いただいたように技術の研究開発が仕事です。今からもう40年前になりますが、今皆さんが座っているように私もかっては中学生として、今先生のお話にあったように真田中学校というところを出たんですけども、今日とは逆に皆さんが座っているような形で話を聞いていたんですが、気がつくとあっという間に今度、反対に私が話さなくちゃいけない立場になっているのは、まあ今、校長先生とも話したんですけども中学校に足を踏み入れたっていうのは本当40年ぶりなわけですね。皆さんの方からみると、私の世界っていうのは何かわかんない世界だなというふうに思います。でも私の方からみると、皆さんの今のそれぞれの顔を見るとね、かって私が40年前にやっぱりこういう顔して座っていたのかなというふうに非常に懐かしく思います。

 技術開発っていうのは「無」から「有」を生まなくちゃいけないということで、じゃあどういう形でその「無」から「有」を生むのかということについて、今日はお話したい。私がそういう開発の中で出会った、我々を取巻いているその宇宙というのは一体どういうものかなということについて考えてきたことを、私なりにお話してみたいなというふうに思います。

 非常に抽象的な話を短時間の中でしなくちゃいけないということですので、本当に思ったとおりの話ができるかどうか、あるいは今言ったように、たくさんの若い人たちの前で非常に私も緊張してますんで、本当に頭がちゃんと働いてくれるかなということが心配ですけども、まあない頭を絞ってお話したいと思います。
 また、わからないところは無理して理解することはないので、もっと大きくなってから理解すればいいことですので、こんなことがあったかなということで考えていただければいいんじゃないかと思います。


copyright © Squarenet