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未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事

信州つれづれ紀行 / 時空の旅
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麻績神明宮 / 長野県東筑摩郡麻績村
瞠目ひとしお
 大町市にある国宝仁科神明宮よりやや大型の神明造りである。 貞享元年(1684年)再建の棟札や様式手法からこの頃の建築と推定される。 仁科神明宮より僅か後のことである。 麻績神明宮の由来では、平安末期、伊勢神宮領の麻績御厨(おみみくりや)を鎮護する神社として勧請されたと伝えられている。 その後、荒廃の時期もあったが、天正年間に小笠原氏が当地を治めて以来、社勢を盛り返し、近世には麻績郷十ヶ村の総社として崇敬されてきた。 麻績郷の地名のおこりは伊勢神宮と関係を持つ麻績部(おみべ)から発しているようである。 本殿、拝殿、仮殿、舞台、神楽殿の5棟の建物が国重要文化財に指定されている。 また境内に立つ樹齢800年と言われる御神木は村の天然記念物に指定されている。
 遡る2010年に仁科神明宮(第219回)を訪れた当時は麻績神明宮のことなど一顧だにしなかった。 先日。 地元新聞の文化欄でこの神明宮を知るにおよんで訪れたのであるが、これほどの歴史をもった神宮がかくなる山間の地にあったとはと瞠目することひとしおである。

2019.02


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