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未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事

信州つれづれ紀行 / 時空の旅
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ほたる童謡公園 / 長野県上伊那郡辰野町
蛍にかける夢
 辰野町の松尾峡がホタルの名所であることは知ってはいたが、この地に 「ほたる童謡公園」 と名付けられた公園があることは初めて知った。 それは昨日惜しくも負けてしまったサッカー日本代表チームで活躍した山口蛍選手を辰野町が応援しようと応援団を設立したとの話を聞いて、ウェブで調べている中でのことであった。 もちろん山口蛍選手は三重県名張市出身とあるからこの地との縁はない。 「蛍の生育地」 である辰野町が勝手に応援したくなったにすぎないのである。 だが辰野町の武居保男町長がその団長を務める熱の入れようで、ご当地のパブリックビューイング会場に町民の寄せ書きを送ったりしたのである。
 蛍に対するその辰野町の熱の入れようは、以下の経緯(ウェブからの抜粋)を知れば 「かくあらん」 と納得がいくであろう。
 諏訪湖から流れる天竜川の水がホタルやその食物のカワニナ等の水性生物を育て、その流域にある辰野町の 「松尾峡」 はホタルの発生に適した自然に満ちていました。 その松尾峡は大正14年に県の天然記念物の指定を受け昭和35年に再指定されました。 平成元年環境庁の 「ふるさといきものの里」 の指定も受けています。 しかし、昭和30年代から、工場廃水、家庭雑廃水、農薬等がふえるにしたがって、ホタルの数もしだいに少なくなってきました。 そこで町ではホタルを守るために、次のようなことを行ってきました。 水のよごれを防ぐため、沢のきれいな水を加える工事を行いました。 その結果、ホタルが少しずつ増えてきたので、休耕田にホタルのすめる小川をつくることにしました。 この小川から2年後に、たくさんのホタルがでました。 その経験をいかして、今の2つのホタルの水路を作りました。 更に、昔からの水路の改修にあたって、コンクリートのほか木くぎを使ったり、川幅を広くして、ホタルのすみやすいような工事をしました。 そうして、小川にホタルの幼虫や、カワニナを放しました。 小川のまわりの草をかったり、泥上げをしたり、いつもホタルやカワニナのすみやすいように、手入れを続けてきました。 そのかいがあって、今松尾峡では、昔のようにホタルが見られるようになりました。 6月中旬の最盛期には、町をあげて盛大な 「ほたる祭り」 が行われ、ホタルを楽しむ人々が、遠く県外からも来るようになりました。

2018.07


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