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「テンション駆動メカニズム」とは、ひも状部材(例えば、ベルト、チェーン、ワイヤー等)の「張力」を使用して、移動ビームに作用する「曲げモーメント」を支持し、移動ビームの「両端」を高速・高精度で「同期駆動」する駆動メカニズムです。
図1は「テンション駆動メカニズム」の構造です。
従来のメカニズムは、移動ビームに作用する曲げモーメントを「ビーム剛性」で支持していますが、ビーム剛性を向上させるためには必然的に「ビーム重量の増加」が発生し、その発生したビーム重量の増加が「慣性負荷を増大」させ、結果的にさらなる曲げモーメントの増大をもたらしてしまいます。
「テンション駆動メカニズム」は従来のメカニズムが拘束されていたこのビーム剛性に関わりなく、移動ビームに作用する曲げモーメントを支持することを可能にしました。移動ビームに作用する曲げモーメントは対称に配された「2本のひも状部材の張力に変換」され支持されます。
部材の内部応力には、「引張応力」、「圧縮応力」、「曲げ応力」、「ねじり応力」等がありますが、その中で最も大きな応力が「引張応力」です。「テンション駆動メカニズム」はこの「引張応力」を使用することでメカニズムの「剛性向上」と「コンパクト・軽量化」を同時に達成しました。
「テンション駆動メカニズム」は「生物の運動メカニズム」に最も近似したメカニズムです。 両者の対比で説明すると、メカニズムを構成する「各ビームが生物の骨格」に、ベルト、チェーン等の「ひも状部材が生物の腱」に、ひも状部材に付与される「張力が生物の筋肉」にそれぞれ相当します。
生物の運動は滑らかで、かつ高速性に優れ、迅速な応答性を発揮します。 他方、従来の機械メカニズムは、言うなれば骨格のみで構成されており、その運動性能は、もっぱらその骨格を駆動する「電動モータ等の微妙な制御」に頼っているのが現状です。
「テンション駆動メカニズム」は従来の機械メカニズムの性能をブレークスルーして、生物がもつ理想的な運動メカニズムを実現する、まったく「新たな機械メカニズム」です。
さらに「テンション駆動メカニズム」では、ひも状部材に「付与する張力を弾力的に変化させる」方法も採用されます。 生物は高負荷の運動(例えば、急激な方向転換等)を行う場合、筋肉の力を瞬時に増大させることで、この高負荷運動に対応しています。つまり、生物は低負荷運動と高負荷運動で、適宜に筋肉の力を調整しているのです。
この筋肉の調整機能が微妙で滑らかな運動を発生させる秘密でもあります。
「テンション調整機能」を備えたテンション駆動メカニズムは、このような生物の筋肉の調整機能と等価な働きを発生させるメカニズムであり、機械運動に加わる負荷変動に対して、「テンション量を弾力的に変化させて」効果的に対応し、従来の機械メカニズムでは不可能であった「高速性」と「高応答性(ハイレスポンス)」を達成しました。
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